通信制高校の通学範囲の違い
通信制高校にも全日制と同じように「私立」と「公立」があり、さらに「狭域」
と「広域」というものがあります。
狭域(きょういき)、広域(こういき)とは
通学範囲あるいは入学可能範囲のことす。なので通信制高校を選択する場合、通学・入学が可能かどうかを忘れずにチェックしなければなりません。
このように各校によって入学可能な地域が限定され異なるため、私立と公立だけでなく通学範囲の狭域と広域にも注目して学校選びをしてみましょう。
狭域と広域の違い
一言でいうと通学範囲の違いになるわけですが、具体的に両者の違いをみてみると、
狭域通信制高校
入学可能地域=学校がある県に加え隣接の1都道府県
広域通信制高校
入学可能地域=3都道府県以上
このようになります。
住所か勤務地が入学可能地域内に有るか無いかで判断されます。
但し広域だからといって「全国どこからでもOK」とする学校と「限定した地域かのみOK」とする学校があるなど、学校によって受け入れ可能な範囲は異なります。
広域通信制高校の多くが私立
広域通信制高校は私立に多く見られます。
全国あちこちの地域にキャンパスや学習センター等も受けている学校もあれば、地域によっては「学習センターはあるけどキャンパスはない」というところもあるなど様々です。
キャンパスとは
校舎のことです。
スクーリングで決められた日数通う必要がある場所のことです。スクーリングで通うのは本校または、このキャンパスとなります。
学習センターとは
通信制高校を卒業するために勉強や生活面、資格取得や体験学習などを通じてサポートしてくれるところです。高校のほか、別途に費用が掛かかり、学校によってはこの学習センターを本校以外のスクーリング会場としているところもあります。
学校とは違う場所でスクーリングが可能とする学校が多いのも広域通信制の特徴で、他にもインターネットを活用した学習システムを取り入れるなど、できる限りでスクーリングの負担軽減を試みる取り組みが行われています。
例えば集中スクーリングと言って本校に数日~1週間くらい滞在し、みんなと一緒に生活しながらスクーリングをまとめて行える学校もあったり。
- スクーリング会場が多く通いやすい
- 多彩なコースが用意されている
- サポート体制が充実している
こうした点がメリットとして挙げられます。
逆にデメリットとして最近ちらほら声が上がっているものには、教師一人が担当する生徒の人数が増えすぎてレポートやテスト対策などのサポートなどが満足にできていない。という学校も実際にあるようです。
狭域通信制高校の多くが公立
狭域通信制高校は公立に多く見られます。
私立と違い本校だけがスクーリング会場として設定されていることが多いですが、学校によっては指定協力校などでのスクーリングもOKとするところもあります。
こちらは管轄が都道府県の教育委員会となるため、募集地域が限定されるだけでなく、スクーリング会場も広域と比べると極端に減ってしまうことから、無理なく通える場所にしないと入学してから大変な思いをすることになります。
毎回親が車で送り迎えしてくれるなら別ですが、公共の乗り物などを利用するならスクーリング自体、数が多いわけではないため「まぁ月2回程度なら通うの大変でも許容範囲かな」と思えるならいいですけどね。
また学校によって限定の範囲も「本校がある県の人のみOK」と本当に限られた範囲でしか入学できないところもあります。
最後に注意としては「入学する本人が居住する住所か勤務地」で判断されるので、親が東京都内に住んでいても入学する本人がそれ以外の都道府県に住んでいる場合、東京都立の通信制高校は入学不可。となります。
ちなみにですが勉強面などのサポートで比較すると狭域よりも広域の方が充実しているところが多いです。
狭域通信制のメリットは…地元で通いたい人におススメという点でしょうか。
あと広域との違いとして学べる内容で選択できるコースとスクーリング会場が少ないことが挙げられます。
まとめ
通信制高校を選ぶときは狭域か広域かにも注目してみてください。
学費面で比較するとどうしても広域の方が高くなりがちですが、その分学べる内容が狭域と比べはるかに多く、また現代社会を反映したユニークな分野を取り入れている学校もたくさんあります。
専門分野の知識や技術を同時に学べる学校もあれば、海外への留学や大学進学に特化したコースがある学校もあるなど、通信制は本当に学校によって特徴が異なります。
そのため「何を学びたいのか」「何を修得したいのか」「卒業後の希望進路に見合っているか」などもひっくるめて学校選びをしましょう。
特にスクーリング会場、サポート体制、入学可能範囲はしっかりリサーチすることが大事です。資料請求や問い合わせをするなどして納得のいく学校選びができますように。