通信制は高校の教育課程のひとつ
高校の教育課程には、全日制、定時制、通信制があります。
全日制とは
毎日学校へ通ってクラスメイトとともに学校生活を送りながら学びます。
定時制とは
日中または夕方から学校へ通い学びます。全日制のように学校行事やクラブ活動への参加も可能です。
通信制とは
通学の回数やタイミングを自分で決めることができるほか、あらかじめ決められた合宿などへ参加することで卒業を目指します。卒業後就職しない場合の最終学歴は「高校卒業」と履歴書へ書くくことができます。
通信制と他の学び方との違い
全日制と定時制は毎日学校に登校する必要があるのに対し、通信制は週に数回登校したり合宿に参加するなど学校によって違いますが、年間で決められた回数登校したり行事などに参加することになります。
通信制では学校に登校することを「面接指導またはスクーリング」と言います。
学習内容についてわからない部分を直接先生に質問したり、レポート作成のアドバイスを受けるなど、自分だけで進められない学習を先生と一緒に進めることができます。
スクーリングは学校によって週または月に何回という回数が違ったり、中には全日制同様に毎日登校するスタイルを採用している学校もあります。
さらに通常のスクーリング+集中スクーリングと呼ばれる合宿形式で行われるところもあるなど、本当に学校によって特徴が異なるのでスクーリングの内容も通信制学校を選ぶ基準の一つとなります。
学び方の違い
全日制は5~8時間、定時制は4時間を1日で学びますが、通信制は自学自習が基本の学習スタイルとなります。
通信制は登校日のことをスクーリングと呼びこの日にみんなと一緒に授業を受けます。これに加えて決められたレポートを作成し提出した後、テストを受けて合格することで単位取得となります。
具体的には決められた回数レポート作成・提出・添削指導を受けます。レポートの内容は学習内容に沿った穴埋め問題などで、学習内容への理解度をチェックします。
卒業に必要な在籍期間
高校は全日制、定時制、通信制のいずれの過程でも卒業に必要とされる在籍期間は「3年以上」となります。
通信制高校入学・卒業の時期の違い
全日制は4月入学・3月卒業
通信制の多くは4月と10月に入学・3月と9月卒業
通信制は単位制・2学期制というシステムを採用している学校が多くこの場合、新入生の募集は3月4月、8月9月がほとんどで、学校によっては随時募集をかけているところもあります。
中でも随時募集には編入も含まれます。
基本的に編入についても募集は4月9月が多く、学校によっては随時募集しているところもあります。
通信制に入学し卒業するためには74単位の必修科目について、単位修得と履修認定が必須となります。
そのため単位制の場合、学習ペースは個人に合わせて学ぶことになるので最短でも3年、長い人だと10年以上かけて卒業する人もいるなど、卒業までにかかる年数は人によって様々です。
社会人OK、編入OK…通信制に通う人たちとは
通信制高校に通う人たちには、
- 既に働いていて高校卒業資格を取得したい社会人
- 全日制に通っていたが中退した人
- 既に通っている学校で卒業が困難そうな人
- 不登校で学校にいけない人
- スポーツや芸能活動などやりたいことに打ち込みながら学びたい人
- バイトなど自分の時間と学業を両立させたい人
- 発達障害などで学習についていけない人
など置かれている状況や年齢層も実に様々ですが、全ての人に共通しているのは「高校卒業資格取得を目指す!」ということです。
サポート校を最大限に活用しよう
通信制高校には本校とサポート校とがあります。会社で言うところの本社と支社といった感じでしょうか。
サポート校とは卒業に向けた学習支援を行う民間の教育施設で、卒業に必要とされる単位取得や進級、レポート作成などをサポートしてくれます。
但しサポート校へ通うだけでは卒業できません。
サポート校はあくまでも自学自習の過程で一人で勉強を進めるのが困難になった時はもちろん、生活面や精神面についても「サポートしてくれる機関」であって「学校」ではないため、いくら通い続けても「学校を卒業」にはならないのです。
もっと分かりやすく言うと通信制高校は学校、サポート校は塾あるいは予備校という感じですね。
ただサポート校も学校によって「学べる事」が違い、職業体験などが用意されているなど各校で特色があります。
こうしたサポート校を最大限に活用して通信制高校卒業を目指します。
同時入学で2つの学校を同時卒業可能
通信制高校のメリットとして技能連携校との同時入学、同時卒業が可能な点が挙げられます。
技能連携校とは
専門知識を学びつつ通信制高校の卒業資格取得を目指せる学校のことで、通信学校の学習に加え専門知識・技術・実践体験から専門分野を同時に学ぶことができます。
これによって専門科目で学んだ学習(単位)を通信制高校に必要な単位に置き換えることができるため、高校卒業と同時に専門分野の知識や技術も身につけて卒業することができます。
そのため進路が決まっているなら、その分野の技能連携校がある通信制高校を選ぶのも手です。
まとめ
通信制高校は通い方や学び方が全日制や定時制とは異なりますが、高校課程の一つとして高校卒業資格を得ることができます。
自学学習が基本となるため体調はもちろん学習ペースなどで自己管理が求められますが、バイトやスポーツなど自分のやりたいことや自分の時間を大事にしつつ学びたい人に人気があります。
また転入や編入も可能なら途中の転校も可能で、その際には単位を引き継げるため、同じく入学した人と同じ年に卒業することができる可能性は大いにあります。
今ではインターネットを介したやり取りを活発化している学校も増えているので、現代の学び方の一つとして通信制高校は全日制高校と同じくらい人気があります。
学びたいこと、学校に興味を持った人はまず資料請求も可能なので、資料を取り寄せてみてはいかがでしょうか。